今日は仕事の都合で私はスーツ姿だった。
日頃見た事もない姿に団員の目が微笑ってた。
稽古の日が増す毎に恒例となっている内職も始まり、何となくざわめいている。
今日の稽古は時代劇の台詞の難しさを、まざまざと思い知らされた一日だった。
老若男女問わず、言葉を投げかける時、軽すぎず、重すぎず、頃合いのセリフを投じなければならない。
こういった芝居の場合、
得てして落ち入りやすいのが形にこだわって、心を感じていないことだ。
いかなる場合でも、相手の心を読み、それに適した心で返す。
それができない限り、役の人物は生きてこないだろう。
なぜなら、心を音にしたものこそが言葉なのだから。